艶やかさと透明性が魅力のガラス。
中が透け、景色を楽しむことが出来るガラス器は、世界各地で酒のある場面で多く利用されてきました。
◆ 開催日: 開催中 ~ 2013年11月10日まで
◆ 開催場所:サントリー美術館(東京都港区 六本木・東京ミッドタウン ガレリア3階)
◆ 問合せ:サントリー美術館
Drinking Glass=酒器は、私たちの生活の様々な場面にあります。この展覧会では、酒器そのものだけではなく、酒器がどこに置かれているのか、どのような場面で使われてきたのかにも着目、紀元前14世紀から現代までの酒器約180件を紹介しています。
1.「捧ぐ(Offerings)」
四千年以上昔に始まったガラスの歴史、当初は不透明な素材として出発しました。そしてガラス器の製作は、紀元前16世紀半ば、メソポタミア・エジプトで始まりました。
この「捧ぐ」の章では、天上の者に捧げる場面に登場した酒器を紹介しています。
2.「語らう(Conversations)」
古代ギリシャでは、夕食後に長い時間をかけて酒を酌み交わし、思想や夢を語り合う饗宴が行われていました。当時は、ワインを水で割って飲むのが一般的だったため、そのための様々な種類と形の酒器が作られました。
3.「誓う(Vows)」
結婚式をはじめとする誓いの場面にも登場する酒器。日本でも三三九度に使われています。
4.「促す(Glorifications)」
形’は、酒の器でも、実際に酒を飲むためではなく、それを持っていることがステイタスシンボルとなるような超絶技巧を駆使した酒器も作られました。
5.「祝い、集い、もてなし、愉しむ(Celebrations)」
酒といえば、やはり宴。古今東西を問わず宴席に欠かせない酒器を、この章で紹介しています。
私が、是非みていただきたいのは、「ダイヤモンドポイント彫り蓋付ゴブレット」16世紀後半のヴェネチアあるいはカタルーニャのものだそうです。聖餐というイエスと血と肉を象徴するパンと葡萄酒を信徒同士で分かち合う儀式で使われていたと考えられていました。
しかし近年、菓子入れとの見解も出ているそうです。
一つの器が酒に使われたかもしれないし、菓子入れに使われたかもしれない、と考えるとちょっと楽しくなりませんか。
[資料提供 サントリー美術館]