「春のバラを楽しむ」(関東地方)

ゴールデンウィークも終わったこれから混雑を避けて、どこかへ出掛けたいという方も少なくないでしょう。

そんな方々にお勧めなのが、春のバラ鑑賞です。バラというと、やはり女性にとっては憧れの花でもあると思います。関東地方には各地にバラの名所、またバラ園がありますが、その中でも特に気になる場所をご紹介します。

まず東京都内では、都立公園だけをみても都立公園ガイドによれば、あきるの市の自然の中のスポーツ公園・秋留台公園、千代田区のビジネス街のオアシス・日比谷公園、渋谷区の都心で一番広い空が見られる森林公園・代々木公園、北区の西洋庭園と日本庭園が調和・旧古河庭園、調布市の楽しんで学ぶ花の散策路・神代植物公園などが挙げられています。

中でも、注目したいのは、国指定名勝の旧古河庭園です。

JR山手線駒込駅から約10分という場所にありながら、その一画だけ別世界に来たように感じます。そして英国人建築家のジョサイア・コンドルが設計した洋館と洋風庭園、京都の庭師小川治兵衛が作庭した日本庭園を眺めていると時代すらも飛び越えてしまったかと思えるほどでした。

その洋館を見上げる階段状の庭園の第一テラスにバラが咲いています。

春と秋に約100種200株のバラが咲き、6月30日までは「春のバラフェスティバル」が開催され、特に5月10日から12日には、開園時間を1時間早め8時から入ることができる春バラの早朝開園も行われます。また、好評の春バラ人気投票や庭園ガイドも実施されています。

そして関東最大級のバラのテーマパークと言われるのが、千葉県八千代市の京成バラ園です。5月から6月上旬にかけては1年中で最も多くの美しいバラに包まれるトップオブピークを迎え、1600品種10000株のバラを楽しむことが出来ます。

ここでは「アリスのブルーミングカーニバル」が、6月16日まで開催されています。

また京成バラ園初の昼のパレードが、5月25日、6月1日、8日、16日に行われます。バラの植物園からバラのテーマパークへという京成バラ園ならではの賑やかで華やかというパレードが楽しみです。そしてもう一つ、この季節にしか見ることが出来ないのが、春バラのアーチ、その下を通るだけでウキウキしてきそうです。

また春は青いネモフィラで知られる茨城県の国営ひたち海浜公園でも、春バラを楽しめます。ローズレリーフガーデン、リラクゼーションガーデン、ハマナスの思い出ガーデンの3つのゾーンからなる常陸ローズガーデンでは、約120品種のバラが咲き、開花期間中はコンサートや現代バラ誕生の歴史を学べるガイドツアーも開催されます。

更に、埼玉県の伊奈町にも町制施行記念公園・バラ園があります。

ここには、伊奈町のバラ園のために作られたオリジナルの品種、真紅の大輪花のイナローズ、ツルバラで秋まで咲き続けるイナ姫、淡い黄色の中輪の花で柔らかく光る春の月を思わせる伊奈の月を始め400種5000株のバラが咲き誇り、5月31日まで「2024 バラまつり」を行っています。

また5月11日、12日には、全国29の市町が加盟する第33回ばら制定都市会議in伊奈が開催され、11日には、ばらサミット開催記念植樹式も行われます。

花の女王ともいわれるバラ、その種類は多いのですが、この機会に各地のバラの名所を巡り、それぞれ自分の好きなバラを見つけるのも楽しいと思います。

以上。

「令和5年度(第74回)芸術選奨贈呈式」に行ってきました。

令和6年3月、東京都内で、「令和5年度芸術選奨贈呈式と祝賀会が行われました。

演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術(A・B)、メディア芸術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論など12部門、文部科学大臣賞が23名と1組、文部科学大臣新人賞が23名、受賞されました。

盛山正仁文部科学大臣の挨拶によれば、昭和25年から始まり毎年度、今年で74回を迎え、それぞれの分野で大きな成果をあげた方々が受賞し、今年から件数も増やしたということです。

芸術というものが、社会に更に認められたということですね。

その中で、私が注目したのは、大衆芸能部門です。

文部科学大臣賞には、講談師の宝井琴調氏が国立名人会・名月若松城ほかの成果で、歌手の藤井フミヤ氏が40th Anniversary tour 2023-2024ほかの成果で、受賞。そして音曲師の桂小すみ氏が国立演芸場3月中席ほかの成果で、漫談家のねずっち氏がねずっちのイロイロしてみる60分ほかの成果で選ばれました。

贈呈式の後、講談師の宝井琴調氏にお話を伺いました。

講談について、

「いわゆる物語を語るのですが、その幅が広いんです。これが講談の魅力なんです。軍談から武芸もの、義士伝、侠客伝、いろんなものがあるんですけど。そして今若手が新作を作っている、この新作がまたとんでもなく面白いという、だから広がりがあるんです」

そして講談は、

「人を褒める商売でもあります。あの人があそこまでいったのは、こんな努力をしたから、こんな苦労があって、あそこまでいったと他人をほめる商売、我々は幸せです。365日他人をほめて生きているんです。これは健康ですよ、ですから皆さんも是非他人をほめる話を聞きにきていただければ幸いです」

最後に、今1番ほめたい人をたずねたら即座に「仲間ですね。仲間が今凄いですね、個性がある魅力的な高座をつとめているんですよ。彼らを今見逃さない方がいいですよ」とのことでした。

いま、そしてこれから更に注目の講談、そして大衆芸能もっともっと追いかけてみたくなりました。

MOKO/もこ

「講談 伝承の会」開催されました。(東京都)

「日本の究極話芸・講談。その芸は伝承されていく。

東西若手・中堅が一堂に、自己研鑽の成果ここに」

文化庁 令和5年度 国宝重要文化財等 保存整備費補助事業として行われている「講談 伝承の会」が今年も3月上旬、東京江東区で3日間に渡って行われました。

今年の参加者は、受講生の東西の若手・中堅の講談師30名と講師である講談師9名の合計39名。一年間の稽古を経て、その成果を観客の前でという発表会形式の公演です。

演芸評論家の長井好弘氏によれば、亡くなった人間国宝の一龍斎貞水が、人間国宝への200万円の助成金で「若いヤツらのために何かしてやれねえか」と考え出したものだそうです。

もうすでに10年を超え、今年の出演者は受講生である若手中堅だけで30名、1人30分なので、朝10時半から夜6時半まで、途中休憩を挟むものの1日8時間の公演時間となります。3日間とも見る人が多いということでしょうか、今年は少し割引の3日通し券も発売され、購入者には、フェスのような腕輪が渡されました。

いつもは、なんらかの用事があり、途中抜けることもあったのですが、なんと今年は何もなく3日間全て見ることが出来ました。

講談には、流派があり同じ演目でも流派によって読み方が違ったりもするそうです。

講談師の方々は、例えば違う一門の方に習いに行き、その違いを勉強するとのことでした。

見ている方にとっては、やはりいつも見るのはだいたい同じ人に偏りますから、この会でああこういう話もあるのだな、こういう講談師もいるのだなと認識を新たにすることが出来ます。

なんと言っても教えてもらった方たちだけで30名、初めて見る人にも出会える会でもあります。

詳しい内容については、客席で熱心にメモを取っている方も大勢いらしたので、多分その方々がどこかで紹介していると思いますので私はここでは書きませんが、とにかく東京、大阪東西の講談をボンヤリと聞いているだけでも楽しいと思います。その中で、あっこの人好き、この話面白いというものを見つけることが出来ると思います。

ただ注意してほしいのは、講談協会会長の宝井琴調氏曰く、「まだ習ったばかり、これから練り上げてお客様に聞いていただけるものにする、あくまでも発表会なんです」ということ、この伝承の会で聞いた、見た全てが講談と思ってはいけない、観客にとってもこれからどれを、誰を聞こうかという入門の場と言えるのではないでしょうか。

来年のことを言うと鬼が笑う、と言いますが、来年の開催も決まってはいるようです。

是非、チェックしておいて、少しでも興味があったら、見に行ってみてくださいね。

MOKO/もこ

「茨城県日立市に行ってきました」

今週のある朝テレビを見ていたら、日立市から生中継をしていました。日立市で発見された寒桜、その名も「日立紅寒桜」(ひたちべにかんざくら)が、今週末見頃だというのです。しかもその色は、淡紫ピンク色とのこと。とても気になり早速日立市に連絡をとってもらいました。なんと日立市には、さくら課があるのですね。これだけでも日立市の桜への思い入れを感じます。

でも週末の天気は、曇りかも。しかも連休です。

そこで急遽、2月22日に行ってきました。

この日も朝から小雨、でもなんとか晴れるかなと思っていたのですが、、、。

私がその桜を見に行ったのは、日立駅から車で20分ほどのかみね公園、そこに作曲家の吉田正音楽記念館があり、その5階が、展望カフェになっているのです。

目の前には太平洋が広がり、海と山に挟まれた日立市の地形を実感することが出来ました。

ここで、この日立紅寒桜を発見した長島正吉さんにお話を伺いました。

当時長島さんは通勤で毎日常磐線の小木津駅を通っていました。1月の中頃から咲く桜の花を毎日見ていたのです。この桜は何かが違う、長島さんは思っていたのですが、なにしろ線路のすぐそばのため、何もすることが出来ませんでした。ところがある時、駅に跨線橋がかけられることになります。ようやく桜に近づくことが出来ました。そこで、この桜の木を詳しく調べてもらったところ、寒桜ではあるが、他の土地には無い、日立市特有の桜であることがわかったのです。

そして市民の公募で「日立紅寒桜」と名付けられ、2006年(平成18年)農林水産省に品種登録されました。

その後日立市内の各所に植えられた日立紅寒桜は、長い期間市民の目を楽しませてくれます。

もちろん展望カフェからも、公園内の日立紅寒桜を楽しむことが出来ます。

でも、実は長島さんが一番のお勧めは、日立駅前からの大通り・平和通りから少し入った所にある日立紅寒桜とのことでした。今回は、もう見頃を過ぎていたのですが、その形の良さは健在。来年の見頃の季節に訪れたいと思いました。

日立紅寒桜の後も、日立市ではやはり固有の桜・「おぎつやよい」「ひたち雅」そしてソメイヨシノやヤマザクラも楽しむことが出来ます。

4月1日(月)から14日(日)までは、さくらまつり開催期間として、平和通り、かみね公園、十王パノラマ公園で桜を楽しむことができ、特に6日(土)、7日(日)には、イベントも開催されます。

当日の天気が心配という方は、市役所のホームページに「お天気相談所」が日立市独自の天気予報を発表していますのでご確認ください。

実はこのお天気相談所は、地方自治体が運営している、日本でただ1つの気象機関なのです。毎日3人の気象予報士の資格を持つ市の職員が日立市の空を確認し、天気予報などを発表しています。

以上

2024年2月24日

MOKO/もこが気になる「みえの餅街道」

先日紹介した三重テラスで行われている「みえの餅街道 in 東京」に行ってきました。

きっかけは単純に、甘いものが好き、だったのですが、「みえの餅街道」は、とても奥が深いものでした。

そもそも餅は、日本古来の伝統的な食品、というだけではないのですね。

餅を食べるのは、正月や様々な年中行事の時でした。つまり特別な時、ハレの日の食べ物なのです。餅を作るには大変な手間がかかります。今は、餅を家で作る方は少ないかと思いますが、以前は各家庭で、あるいは町や村での手作りがほとんどでした。手間がかかるから、特別な時しか食べることが出来なかったのでしょうね。

そんなことから三重の先人たちは、日本全国から伊勢神宮へお参りに来る人々に、餅でおもてなしをしたのです。長い道のりを歩いて来た人たちは、このおもてなしに、もうすぐ伊勢神宮だと思い嬉しかったでしようね。

そして餅は、コンパクトに栄養補給をしやすい食品でもあります。

精神的な面でも、肉体的な面でも、両方の意味で、餅は伊勢参りの方達を応援する食べ物だったのです。

正月の餅の形や味が、地方によって丸や四角があったり、醤油味や味噌味があるように、三重でもその土地ならではの餅があったのだと思います。それぞれの土地の餅でのおもてなしが、今のみえの餅街道のそれぞれの餅になっているのだと思います。

みえの餅街道、その感覚は以前からあったものの、実はこの言葉は昭和の時代には無かったようです。そう呼ばれるようになったのはまだこの20年ほどのことだとか、とは言いながらも、パンフレットやチラシに載っている約20店のほとんどはそのルーツを江戸時代まで遡ることが出来るとのことでした。

今回の「みえの餅街道 in 東京」のチラシに紹介されているのは、北は伊勢街道の出発点桑名の「安永餅」から、伊勢の店、そして南は志摩の「さわ餅」まで15店、それぞれ形も特徴、作り方も様々です。

私も、その中から伊勢の、伊勢といえばという冠がつく「赤福餅」と太閤秀吉の出世にあやかる縁起餅「太閤出世餅」の2種類をいただきました。

方や柔らかいお餅と上品な餡の組み合わせ、そしてもう一方は豊臣秀吉が好んで食べたと言われる焼餅で、小豆ともち米の旨味を引き出しているとチラシにありますが、まさにその通り、甘さの感じも、餅の食感も違うのです。

同じ伊勢でも、これだけ違う餅街道のお餅、機会があったら東京から歩いて行き、伊勢街道を神宮に向かいながら、一つずつ食べてみたいと思いました。

それにしても今回、三重の餅が単なるスィーツの餅ではなく、伊勢神宮があったから、そして伊勢参りという文化があったから発展したという事を知り、奥が深いと実感しました。

日本の各地にあるスィーツの街道、その中でMOKO/もこは今「みえの餅街道」が一番気になっています。

なお、今回の「みえの餅街道 in 東京」では、Mie Mu (三重県総合博物館)の学芸員・宇河雅之氏によるトークショーが行われ、宇河氏に色々なことを教えていただきました。

以上