秋田県鹿角郡小坂町にある明治の芝居小屋・康楽館。明治43年1910年に建てられ、今年創建百十年を迎えた国重要文化財です。
その創建百十年を記念しての特別公演が「リトライ! 風そよぐ町から」です。
作・演出は、下町かぶき組劇団誠流座長・星 誠流、主演は劇団三峰組座長・三峰 達、そして彼らの師匠であり生きる博多人形とも言われる松井誠が監修という豪華な布陣です。
◆ 公演日程:2020年10月2日(金) 〜 31日(土)
◆ 上演場所:明治の芝居小屋 康楽館(秋田県鹿角郡小坂町)
◆ 問合せ:康楽館
小坂鉱山の厚生施設として建てられた建物は、外観はモダンな洋風、中に入ると回り舞台や珍しい2本の花道を備えた江戸期の伝統的な歌舞伎小屋の洋式を残す日本でも数少ない和洋折衷の芝居小屋です。
その康楽館で、黒鉱製錬の立役者であり日立鉱山を創業した久原房之助の物語が上演されます。
地元の偉人をテーマとした作品で、十和田湖でヒメマスを養殖した和井内貞行を描いた「天空の魚影」に次ぐ第二弾です。
明治の時代、銀の産出量が減り閉山寸前まで追い込まれた小坂鉱山とその閉山の危機を乗り越え新しい製錬所を建設し、後に日本有数の大鉱山にならしめた久原房之助。彼が何度も失敗を繰り返しながらも自分の信じた道を突き進む挫折と再生・そして挑戦の物語が、この「リトライ! 風そよぐ町から」です。
その歴史を、まさに小坂鉱山の厚生施設だった康楽館で上演するのです。
その土地ゆかりの人の物語をゆかりの芝居小屋で観る、とても有意義であり、また楽しい贅沢な時間ではないでしょうか。
小坂町には、康楽館をはじめ、やはり国重要文化財の小坂鉱山事務所や小坂鉄道レールパークなど明治からの近代化産業遺産がたくさんあります。是非時間を作って、それらもみてください。
そしてお腹が空いたら地元の美味しい桃豚も味わうのも良いと思います。小坂町赤煉瓦にぎわい館赤煉瓦倶楽部では、この桃豚の肩ロースをかば焼き風に仕上げた小坂駅弁も販売しています。但し、2日前までの予約が必要となります。
[資料提供 秋田県東京事務所]