「世界遺産 富岡製糸場の国宝・西置繭所」グランドオープン(群馬県)

2014年6月に、世界遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」。
同じ年に、富岡製糸場の繰糸所と東西2棟の置繭所が国宝に指定されました。
その国宝・西置繭所が足掛け6年に渡る保存整備工事を終え2020年(令和2年)10月3日にグランドオープン、その全貌が公開されました。

富岡製糸場は、明治5年に日本で最初の官営模範工場として誕生、繭から絹糸を作る工場で、完成当時は世界一の製糸工場となりました。日本各地から多くの人が訪れて働いたり見学したり、その知識や技術は各地に伝わり、全国で良質の生糸がたくさん作られるようになったのです。
その後富岡製糸場は民営化され、経営者も変わったものの、昭和62年まで一貫して製糸工場として稼働し続けました。まさに、その操業の歴史は日本の近代製糸発展の象徴でした。

良い生糸を作るには、当然そのもととなる繭が大事です。その繭を置いていた場所が2棟の繭倉庫、そのうちの1棟が西置繭所です。

この西置繭所が、ハウス・イン・ハウスという手法で保存整備されました。外観は、年間生産量が最大だった1974年(昭和49年)当時の様子を復元、その内部はガラスで囲まれ、現代にいながら過去の富岡製糸場西置繭所の有様を間近に見ることができるのです。

そして2階に上がると、そこには大きな繭を入れた袋が積まれています。なんとその重さは15キロもあったというのですから、驚きました。
そしてここに、たぶん日本初ではないかと思われるものがあります。
創作浪曲による音声ガイドです。かつてなにわぶしと言われ、たくさんの人々が高座やラジオで親しみ楽しんだ浪曲、その歴史は富岡製糸場の歴史とかぶります。
メインガイドで解説を聞き知識を得て、浪曲によるスペシャルガイドの物語で、かつての時代におもいをはせることができます。

そして富岡製糸場に行ったら、富岡の町も是非みてきてください。

まずは駅前にある、群馬県立世界遺産センター・「世界を変える生糸の力」研究所。
ここで、ちょっと予備知識を入れておくと、富岡製糸場をより楽しむことが出来ます。

そして町のあちこちには、小さな張り紙のようにそれぞれの通りの名前の由来などが書かれた富岡まちてくサインがあります。探してみてください。
歩き疲れたら小さな公園もあちこちにありますので一休みもOK。

そして、10月11日日曜日には、「とみおかキッチンフェス」が富岡市役所前のしるくひろばで開催されます。市内の各店から美味しいものが大集合です。

また、第2回日本の世界遺産をえがく 全国絵手紙公募展も行なっています。応募締切は、10月30日金曜日です。

富岡の町と富岡製糸場、令和の今と明治のタイムトリップを楽しんでみてはいかがでしょうか。

そうそう、メインガイドも浪曲のスペシャルガイドもアプリからのダウンロードです。スマホ用のイヤフォンも忘れないでくださいね。