“にんぱく“こと、さいたま市岩槻人気博物館で開催中の企画展です。2020年(令和2年)の開館時から、博物館内に修復室を設け、日頃から人気修復を行ってきた、全国でも数少ない博物館です。
この展覧会では、劣化の各症状、素材別の処置から、修復が困難とされる人形衣装の復元事例まで、これまで行ってきた人形修復の数々を紹介しています。
◆ 開催期日:開催中~ 2024年9月8日(日)
◆ 開催場所:岩槻人気博物館(埼玉県さいたま市)
◆ 問合わせ:岩槻人気博物館
様々な素材で出来ている人形。
例えば、人形本体は木、毛髪部分は絹糸、肌は胡粉、衣装は染織品、被り物などの付属品は和紙などなどです。当然それぞれの素材によって痛み方が違い、修復の方法も違うため、人形の修復には、幅広い知識や処置のための技術が求められます。
岩槻人気博物館では、その開館より前の2009年度(平成21年)から人形の修復事業を始めていました。
最初は修復技術者1名、今では漆工芸、木製品、東洋絵画などを専門とする4名の修復技術者が人形の修復に携わっています。
人形修復は、まだ歴史が浅く、始まったばかりとも言えます。ですから今行っている修復が、最善の処置であるかどうかすら、現段階では判断することが出来ません。今は問題が無くても、数年後または10数年後に再び劣化してしまう可能性もあります。そのような場合に備えて、ただ修復するだけではなく、必ず修復報告書を作り、処置の内容や使用した材料なども記録として残します。まだまだ試行錯誤の連続である人形の修復です。
私たちの暮らしに身近なものとして存在する人形を未来に伝えていくためには、保存環境を整えて適切に保存していくことと修復はセットとひて欠かすことが出来ないのです。
そんなにんぱくの修復の方法などを間近で見ることが出来ます。
[資料提供 埼玉県産業労働部観光課]