報告 ②「匠の技の祭典 2018」 (東京都)

この「匠の技の祭典」での楽しみであり大切なことの一つが体験です。
普段は身近に触れることが難しい匠の技を目の前で見て、話を聞ける。そして実際に自分でも体験してみることが出来る楽しいですよね。ここではそれらの中から幾つか紹介しましょう。

まず、沖縄の着装体験です。
和装の着物とは違う着方をする沖縄の琉装・ウシンチー、このウシンチーは押し込むということからの言葉だそうです。
なんと、腰紐一本で、そこへ前身頃を押し込んでゆき着装完了。
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沖縄の暑い気候のなかでいかに気持ち良く過ごすかということから、このような着装が生まれたとのこと、ただ残念ながら昔は生活のなかで着ていたものですが、今では踊りなどの舞台の上でだけしか見られないようです。

そして、表具の匠の方々に教わる、からくり屏風。

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横にも、縦にも開く屏風ですが、ホント不思議! でも、この技を昔の人が考え、それをその技術を持つ人々が伝えられ守られてきたのです。

座布団も作りました。

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綿わたの柔らかさ、手ざわりなどの優しさに触れることができました。
綿わたを側の生地にそって何枚も重ねてゆくのです。

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徐々に山になってゆく綿わた、ここにくるまったら気持ち良いだろうなと思いました。
ところで、座布団の前後ろや上下ってご存知ですか。前、つまり膝の下にくる部分は知っていました。縫い目がない一面が前。でも上下は知りませんでしたが、自分で作ってみると納得、側の上に綿わたを重ねていくとき、一番下になっている部分、つまり平らできれいな面が上なのです。座った感じがまるで違うとのことでした。

工業ミシンで作る帆布のバック。

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家庭用のミシンすら、ほとんど触れない不器用な私が工業用のミシンに挑戦。
やはりプロの方が使うもの、私の想像をはるかに超えていました。
持ち手の四角に対角線を入れた縫い方は、すでにセットされた型のなかで針が自然に動いていました。ただし、これはプロの方がやるからなので、素人には手が出せない領域でした。
そしてヘリなどを包むことも出来ました。テープがセットされていて普通に縫っているようでちゃんとヘリがかかっていました。

「匠の技の祭典」のすごい所は、まさにそのタイトルにもあるように「伝統と革新」に直に触れられることです。
その代表の一つが、茶室。

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左官、表具、建具、造園、タイルなど匠の技が結集した茶室があるかと思えば、六角形のバッグと思ったらたちまち茶室に早変わりというポップアップ茶室もありました。

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その他にも、各種の展示や体験のある「匠の技の祭典」次回が楽しみです。

MOKO/もこ