[報告]第29回 国際文具・紙製品展(通称:ISOTイソット)そして第26回 2018年夏の文紙フェアに行ってきました。(東京都)

毎年七月には、文具や紙のメーカーから秋に向けての新製品などの発表と展示の会が開催されます。2週に渡って、二つの展示会で、楽しいもの色々見つけてきました。
すでに発売されているものもありますが、今回紹介するものの多くはこれから発売されるもの、秋になったら探してみてくださいね。

まず、ある職業の方からの要望で作られたもの、でも私たちが使っても便利だと思います。

◆ 「新ボールペン V(ブイ)」

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キャップは一つで、中のペンは二つ。一見使いづらいのでは、と思うのですが、実際に使ってみると快適。
このペンは、学校の先生の要望で生まれたとのことでした。というのも、試験の時など百枚を超える枚数の採点をしなければいけない先生たち。赤でマルをつけて、黒で何かを書いてとなると大変。いちいちペンを持ちかえるより一本にして欲しいと、まさに切実な願いから出来たのですね。勿論書きやすくなければいけないので、インクにも秘密があるそうです。

◆ 「Wearable memo」
身につけるメモ、ウェアラブルメモ。ウェアラブルが注目されている近年、ついにメモもウェアラブルになりました。
メモならポケットに入っている、ですって。いいえ、これはまさに身につけてしまうのです。一見定規のようですが、これがクルッと腕に巻きついてしまいます。ですから何かの作業をしていても邪魔にならず、油性ボールペンがあれば、即メモ完了。消す時は消しゴムか指だけでも消すことが出来ます。
こんなものがあればと願っていたのは看護士の方達、どんな時でもサッとメモが出来ますからね。

第27回日本文具大賞機能部門でグランプリを受賞した製品です。
◆ 「キッター」
キッター、オッター、シマッター、言葉遊びではありません。使い方の3ステップなのです。
刃の露出は最小限で先端は三角ではなく平ら、でもちゃんと普通のカッターのように線を切って切り絵などを作ることは勿論出来ます。ただ子どもの手に合わせて小さくなっています。
刃が切れなくなったら、折って新しい刃に。そして使わない時には専用の置き場所にお片づけ。危ないからといってカッターを使わないのではなく、出来るだけ危なくないようにと工夫された文具です。

町工場の方々も、それぞれの技術を生かした作品を展示していました。
◆ 神奈川県の町工場の作品は、「CLIP」や「CARD STAND」「CARABINER」
精密バネ加工の技術から生み出した新しいクリップは、幾つもつなげていくと、何枚もの書類を折り跡をつけずにまとめることが出来ます。
一見ただのバネのようだけど、その用途はカードスタンド。しかもそこは町工場で長年培われた技術です、カードの置き方は、上向き垂直下向きと自由自在、そのうえかさばらないのです。
カラビナは、高精度の加工技術により組み木のようにピタッとつなぎ合わさってしまいます。

◆ 「WHITELINES」
細かいマス目のノートは、東京板橋の工場とスウェーデンの会社のコラボ製品です。
細かいマス目は、コピーやスキャンした時には消えてしまうし、専用のアプリを使えばデータでの保存も楽々出来ます。
これから、色々な使い方が出来そうです。

◆ 「水彩色えんぴつ」
最近色えんぴつが静かなブームになっています。やはり、あの優しい色合いが好まれるのでしょうか。
その色えんぴつの絵を、もうワンランクアップ出来そうです。
水彩画のイメージを色えんぴつで表せたらという発想から生まれた水彩色えんぴつ。色えんぴつで書いたり塗ったりした後を、水を含ませた筆でなぞると水彩画のような仕上がりになります。
これも色々な使い方が出来そうですね。

◆ 「シューズドクター N」

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文具の展示会なのに、補修用品?と思ったら、接着剤の技術から靴底のすり減りを補修する製品を見つけました。
靴底の片側だけがいつも減ってしまって、でも中々修理に出せないしと嘆くことがなくなりそうです。

ところで、付箋の種類ってご存じですか。図書館の書籍に付箋禁止とするところもあるというニュースがありましたが、実は一口に付箋と言っても、沢山の種類があるため、自分の使い方によって使い分けるとより便利になるようです。
形や大きさによる使い分けは勿論ですが、糊の種類も付箋によって違うのですね。一番簡単なのは、接着の強さ。絶対剥がれてほしくないものは、強接着。そして普通接着もあり、辞書や例えば図書館の本などには接着の弱い辞書用の付箋があるとのことでした。

文具関連の二つの展示会、色々と興味深い製品が沢山ありました。
より便利に楽しく、上手に使いたいと思いました。